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  • 執筆者の写真坂田大輔

ご主人様が認知症

5月も半ばを迎え夏を想わせるような陽射しを感じるようになりました。今年は運動会や球技大会などの行事も少しずつ再開してきており、忙しくなってきました。

ただ、運動会の観覧が「保護者一名に限られる」という決まりがあり、残念な限りです。

まあ、開催されるだけ「よし」としなければいけませんね。


さて、先日は認知症を患っている高齢男性の受診の送迎のお手伝いをさせていただきました。奥様とのお二人住まいで、ご主人様は奥様をとても慕っており頼りにしているご様子です。


出発時にご主人様は「戸締り」「持ち物」など、いろいろと気になるようで、何度も奥様に声をかけていらっしゃいました。車に乗ると「どこへ向かっているのか」「何のためなのか」などを奥様に何度も確認されていらっしゃいました。奥様は嫌な顔一つせず、その都度丁寧にご説明され、ご主人様もその都度「そっか。」と納得されておりました。


聴いても聴いても忘れてしまい、不安になるのでまた聴いてしまう。


「さっき言ったでしょ!」

「何度言ったらわかるの!」


と言いたくなるところかもしれませんが、ご本人様にとっては「いや、聴いてない。」

という気持ちであり、それが真実なのだろうと思います。


奥様はけっして声を荒立てたり、イライラするそぶりを見せませんでしたので、ご本人様もその都度納得され、大きな声を出したり取り乱したりすることなく、車椅子に座っていらっしゃいました。


無事に受診も終わり、帰り道の途中で生活用品や介護用品、飲食料などいろいろと買物をしたいとのことで、何件かのお店に寄りました。時間を短縮するためにご主人様は車でお待ちになられていたのですが、その際はやはり「奥様がどこへ何をしに行くのか」「ちゃんと帰ってくるのか」ということが心配になるようで、独り言のようにつぶやかれるので、私が傍に座りその都度説明をさせていただきました。


「ごめんごめん!終わったよ!」と奥様が戻ってこられご主人も安心。自宅へ戻ります。

ご自宅のベッドまでお送りした後、ご主人様が不安になり立ち上がって転倒したりすると大変なので、奥様にはベッドのそばまで私が精算に来る旨をお伝えしたのですが、車まで出ていらっしゃいました。ご主人様は奥様が少し見えなくなったのでやはり「おーい。」と呼ばれていました。「大丈夫かな~」と心配しつつ手早く精算を終えました。


奥様はなかなかご主人様のもとを離れることができないのかもしれないなあ。と思いますが、おそらくそこは、奥様の中での「さじ加減」があるのかな。とも思いました。


ともかく奥様の愛情と広い心のおかげで無事に受診と買い物を済ませることができました。もしかすると奥様も我慢を重ねていてストレスが溜まっているのかもしれませんが、もしそうであるならどこかでガス抜きができるといいですね。


また行きましょう。

ありがとうございました。


写真は二丈の金色の麦畑です。




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