抜鈎(ばっこう)
- 坂田大輔

- 7月3日
- 読了時間: 3分
いかにも梅雨らしいしとしととした雨が降っております。
さて、先日は術後の抜鈎(ばっこう)をしますという方の付き添いをさせていただきました。近頃は手術の縫い合わせを糸ではなく、ホチキスのような金具(医療用ステープル)で止めることが多く、傷口がくっついた頃にその金具を外すことを抜鈎と呼ぶそうです。糸だと抜糸ですね。こちらはよく聞きますが、抜鈎は恥ずかしながら初めて聞きました。勉強になります。
ご本人様は長期入院されている方で車椅子をご利用の女性です。ご乗車いただいてすぐにいろいろとお話をしてくださいましたが、その手術のことは全く記憶にないとのことでした。ただただ、「たくさんの人たちに助けてもらって、この歳になるまで生かせていただいて本当に感謝しています。」と感謝の気持ちを何度もおっしゃっておりました。
付き添いの場合、基本的には駐車場に停めて降車していただき、一緒に病院まで行くのですが、当日はあいにくの雨でしたので、病院の玄関に車をつけてご本人様を受付までお連れして、私は車を停めに行きました。初めての方なので、ほんの少しの間ですがお独りにしてしまって大丈夫なのかと不安でしたが、この動きはあらかじめ予測できていたので、あらかじめ出発前にご入院中の病院の看護師さんに確認しておりました。人によっては眼を離したすきに車椅子から立ち上がろうとして転倒してしまったり、どこかへ行ってしまったりという可能性は十分に考えられますので、この確認は大事にしております。
外来は混んでいましたが、わりとすぐに診察室に呼ばれました。処置台に横になるところまではお手伝いをして、外で待つよう指示を受けましたので待合室のソファーに腰を下ろしました。と思ったら、すぐに呼ばれて診察室にお迎えに入ると、抜鈎は済んでおり傷口も全く問題ないとのことでした。抜鈎はあっけなく終了。よかったです。
そのまま会計へ。早く終わってよかったです。「あなたもお昼までゆっくりできますね。」と気遣ってくださいました。また、「私、生まれ変わったら看護師さんになりたいわ、女医は難しすぎるから。人を助ける仕事って素晴らしいわよね、あなたもそうよ。」とおっしゃってくださいました。帰りに乗車する際には車の側面に書いてある「大すけ」という屋号をご覧になり、「大すけっていい会社の名前ね」とお褒めいただいたので、自分の名前をそのまま付けたという旨を伝えると「まあ素敵!」とたいそう喜んでくださいました。嬉しいことです。
無事に病院まで送り届け、ご入院中の病院の看護師さんに報告をして終了です。別れ際にも何度も「ありがとうね。」とおっしゃっていただきました。次の日には覚えていないかもしれませんが、瞬間瞬間を喜びと感謝で過ごされており、(少なくともこの日の数時間は)素敵だなあと感じました。
またお会いしましょう。
ありがとうございました。
写真はマークイズの駐車場より、みずほPayPayドーム福岡です。





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