自分の力で…。
ゴールデンウィークが終わったかと思ったら、もう梅雨が来そうな感じになっております。今年はいろいろ早いようですね。
さて、先日は高齢男性の受診のお手伝いをさせていただきました。つい最近までは伝い歩きをされていたのですが、どうも足の動きがよくないとのことで受診となったそうです。しかしご依頼は車椅子ではなく、私が側で介助しながらあくまでもご自身の力で歩き、また、長時間の座位が辛いので車椅子よりも助手席でリクライニングしたいとのことでした。
リクライニング車椅子もおすすめさせていただいたのですが、やはり助手席がよいとのことで了承し、お迎えにあがりました。
ご本人様はベッドで横になっていらっしゃり、ご挨拶をさせていただいたのですが、「もう足が全然動かんとです。」とおっしゃいます。「起き上がれますか?」とお声かけすると、どうにか頑張って起き上がる事ができましたが、かなりしんどそうです。不安定ながら立ち上がることはできましたが、歩こうにもなかなか足が出ません。
ゆっくり、ソロリ、ソロリ。
私が側で支えながら、家具を伝い少しずつ進みます。途中ご本人様が高齢の奥様にも介助を手伝うようにおっしゃいますが、奥様は「専門の方におまかせすればいいとよ。」とおっしゃり、そのうえ狭くて支える場所もなくどうすることもできません。私がついているので大丈夫だとお伝えしますが、何度もおっしゃるので広いところで少しだけ手を握っていただきました。しかし依然として一歩一歩、足が出にくいようです...。このあと車までは、まだまだ距離と段差があり、助手席までたどり着くのはかなり難しいと思いましたので、やはり車椅子で移動することをおすすめすると、やはり辛かったのでしょう、すぐに応じていただけました。一旦あがりかまちに座っていただくようお願いすると、奥様が「一度座ったら立てなくなります!」とおっしゃいます。しかしこれ以上無理はできません。
ご本人様にはゆっくりと腰をかけていただき、奥様には隣で身体を支えていただき、私は車椅子を取りに行きました。
立ち上がる為の姿勢をしっかりとっていただき、踵をひき、上半身を前方に誘導しながらしっかりと支えるときちんと立つことができ、そしてすぐに車椅子に座っていただくことができました。リクライニングもご利用いただけることをお伝えしましたが大丈夫とのことでしたのでそのまま段差を降り乗車しました。
ご本人様が「お茶。」と言い奥様がすかさず「はい。」とさし出します。ご本人様はきついのでしょう険しい表情です。
病院に着き病院の車椅子に移っていただいてからは、奥様の付き添いで受診していただきます。
しばらく経って受診中に奥様からご連絡をいただき、「点滴をしているのでまだまだかかりそう」とのことでした。
だいぶしんどかったことでしょう。また、途中経過のご連絡をいただけるととても助かります。ありがとうございます。
そして、しばらくの後、受診終了のご連絡をいただきお迎えにあがると、先ほどに比べて顔が少し火照ったように見えるほど、良くなったように感じました。しかし車椅子に移る際はやはり足に力を入れることが難しい様子でした。
ご自宅へ到着し車椅子のまま段差を越え寝室の手前まで進みます。そこからはどうしても幅が足りず、少しだけ歩いていただかなくてはなりません。やはり不安なのでしょう、私の身体をつかむ手にはグッと力が入ります。「大丈夫です。慌てずに行きましょう。」と声をかけながらベッドサイドに到着、ゆっくりと腰をかけていただいたとたん、緊張が解けたのでしょう「ありがとう~...。」と顔をくしゃくしゃにして涙声でおっしゃっいました。
いやあ~、よかったです。
きっと奥様はもちろん、他人にも弱いところを見せないように、限界まで頑張っていらっしゃったのでしょう。お疲れ様でした。
思うように身体が動かずにさぞかし悔しいことでしょう。しかし、周りにはたくさん助けてくれる人たちがいます。少しずつ頼ってもらいながら、楽に安全に移動したいですね。
ありがとうございました。
麦畑もそろそろおしまいですね。
太陽に照らされると本当にきれいな黄金色に輝くのですが、この日はあいにくの曇り空。
写真は二丈波呂にて。
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