緩和病棟へご入院
青空が広がり穏やかなゴールデンウィークとなっております。
車も多くお出かけされた方も多いようですね。
さて、先日は緩和ケア病棟にご入院される方のお手伝いをさせていただきました。ご自宅で療養されていらっしゃいましたが、重い病気が進行しており、なかなかご自宅で過ごすことが難しくなったとのことで、ご入院されるとのことでした。
お迎えに上がるとベッドで横になっていらっしゃり、だいぶ痩せていらっしゃいました。息子様がしっかりと支えながら、リクライニング式の車椅子に移られ出発です。しかしご本人様は戸締りやそのほか持っていくものなどいろいろと気になるようで、息子様たちに確認や指示をしたいようなのですが、声に力が入らずなかなかうまく伝わりません。指をさしたり耳元で小さな声で話したりしながら、最終準備を行います。息子様たちは「大丈夫大丈夫。全部ちゃんと持っとるけん。」「飲み物?飲む?今?」と一生懸命意思の疎通をはかります。
いよいよ出発ですが、今回は病院に行く前に近くの施設に入所していらっしゃる奥様と顔を合わせる時間をとりたいとのことで、施設に寄ることとなりました。玄関に着き、施設のスタッフの方が奥様を玄関まで車椅子で連れていらっしゃいます。ご本人様は車から降りることはせずに、乗降用の横の扉を開けて顔を合わせることとなりました。
娘様が奥様(お母様)に「お父さんちょっと治療で病院に行くけんね。すぐまた戻ってくるけん。」と目を真っ赤にして説明されていらっしゃいました。ご本人様も奥様も何も話さず、目が合っているような、合っていないような。ただただ差し向かいになっていらっしゃいました。
間を埋めるように施設の方や、娘様が話しかけます。数分間して、「じゃあ行くけんね。」とその場を締められ、奥様には見送られるのではなく、施設に戻られる奥様を見送ってから出発しました。
皆さま様々な想いがあったことでしょう。車に乗ってからは「会えてよかったね。」「マスクしてたから痩せたのがばれんでよかったね。」などと話しながら病院に到着です。
ご入院前に顔を合わせることができてよかったですね。
ありがとうございました。
写真は泊からの可也山です。
そろそろ麦が金色に色づいてくる季節ですね。
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