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  • 執筆者の写真坂田大輔

精神科の転院

コスモスが咲き始めましたね。だいぶ涼しくなってきましたが、日中はまだまだ蒸し暑い日々が続いております。


さて、先日は精神科の転院のお手伝いをさせていただきました。

ある程度歩行はできるようですが、心が不安定で思わぬ行動をされ事故が起きてはいけないので、車いすをご利用されるとのことでした。 退院する際もやや興奮されており、もともとご家族様のうちお一人は別の車で移動される予定でしたが、どうしても一緒に乗ってほしいとの訴えがあり、全員同乗されることになりました。


出発してすぐに「入院中に小銭入れがなくて困った」とのお話をされ、途中で100円ショップがあれば寄ってほしいとのご希望がありました。基本的に転院の場合は受け入れ側の時間の都合もありますので寄り道はしないのですが、強いご希望があったため、通り道のお店にさっと寄ってご家族様が買いに行くこととなりました。


ところが話しているうちに、「時計が必要だ。」ということも思い出されたようで、「100円ショップに時計はないですよね。」とおっしゃいます。簡単なものはありますが、ご本人様はしっかりした腕時計が欲しいようで、「OOOに寄ってください。あそこならありますから、お願いします!」と通り道ではないお店を希望されました。そこに寄るとやや遠回りになり時間がかかってしまいます。しかしながらどうしても興奮してしまい、大きな声でご希望されます。「お願いします!」ご家族様も困ってしまっています。

私はたまたま運航スケジュールに余裕があったので、多少時間がかかっても構わないのですが、先方の病院に迷惑が掛かってしまいますので、どうしたものかとご家族様に相談すると、病院にはご家族様が説明するのでお店に寄ってほしいというお返事をいただきました。「場所はわかりますから!」と大きな声で「そこを右折です!」「XX通りに出たら左折です!」と指示をしてくださいます。もちろん私も存じ上げておりましたが、指示通りに走ります。


しばらく走ると、「やっぱり自分で見て決めたい」という気持ちになったようで、「みんなで降りちゃだめですか?」というご希望も出てきました。私もできることなら皆さんでゆっくり見て回ってお買い物をしていただきたいのはやまやまなのですが、ただでさえ時間がかかってしまう上に、ご本人様の興奮した状態ではちょっと何が起こるかわかりません。更に時間がかかってしまう事も考えられますし、お店に迷惑をかけてしまう恐れもあります。興奮して立ち上がり転倒してしまう危険性もあります。私としては先方の病院へ安全に送り届けるという責任がありますので、そこは申し訳ないのですが我慢していただくことにさせていただきました。


お話はきちんと聴いてくださり納得していただくことができましたので、短時間でご家族様に買ってきていただきました。せっかく買ってきていただいた商品にやや不満をもらしつつそれでも概ね満足されたようで、早速腕にはめていらっしゃいました。


病院に着くとスタッフの皆さん総出でお出迎えでした。

やや遅くなってしまいましたが、どうにか無事に着いて何よりです。


受診や退院、転院はご家族様に会える数少ない機会ですので、有効に使っていただきたいのですが、予定外の寄り道はできる場合とできない場合があります。できる限りのことはさせていただきますので、ぜひご相談いただければと思います。

ありがとうございました。


写真は志摩の森の中。



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