どっちが先か?
- 坂田大輔

- 7 分前
- 読了時間: 3分
あちこちの紅葉がとてもきれいです。今年は我が家のもみじもきれいに赤く染まりました。まだまだ散らずに残っているので、もう少し愛でたいと思います。
さて、先日はご夫婦で役所に手続きに行かれるということで、お手伝いをさせていただきました。ご主人様は歩行が不安定でやや認知機能の低下がみられるため施設に入所していらっしゃいます。奥様を自宅にお迎えに行き、一緒に手続きに行くという段取りです。
施設にご主人様を迎えに行くと、スタッフの方に支えられながら歩いていらっしゃいました。ご挨拶をして、外出なので念のため車椅子で移動することを説明し、乗っていただきました。ご自宅に奥様を迎えに行く車中で、「お天気が良くなってよかったですね。」と話しかけてみましたが。じっと前を向いていらっしゃいました。私の声が聞こえにくいのか、理解が難しいのかわかりませんが、運転中の会話は難しいようです。
ご自宅のマンションの下に着いたらご自宅の電話に連絡をする段取りでしたが、長く鳴らしましたが、出られませんでした。すると、通りのほうで道路の向こうを一生懸命に見ていらっしゃる女性がいらっしゃったので、お声掛けをすると奥様で、早くに下りてお待ちだったそうです。「里帰りしちゃうから、早く行きましょう」とおっしゃいながらタクシーに乗り込みます。ご主人様が自宅を思い出して帰りたくなってしまうかもしれないという意味だそうです。奥様が隣に座ると二人で仲良くいろいろと話し始めました。やはり奥様ですね。
役所に着き手続きを待ちながら、親せきのだれは元気か?○○さんが亡くなった、などなど、いろいろとお話をされ、奥様が私に「今日は調子がいいわよ。」とご主人様を指しておっしゃいました。そして奥様が「ああ、しんどいわ。もう私が先にいきますからね。もうそろそろですから。」とおっしゃると
ご主人様が「いやあ俺が先よ。」
奥様:「なに、どっか悪いとね。」
ご主人様:「いや別に。」
奥様:「そうやろうもん!」
と言って笑っていらっしゃいました。ご主人様はきょとんとしたご様子でしたが…。奥様が「いく」とは「逝く」の意味で、自分は重篤な病気で本当に長くはないということを説明していらっしゃいました。やはりご主人様にはわかっていらっしゃるのかどうかは定かでないようなご様子でした。
無事に手続きが済み、お互いに「じゃあね」と言って別れました。
奥様はもう長くないとおっしゃいますが、これで最期ではちょっと寂しいなと感じました。また、何か機会を作ってお会いできるといいですね。
ありがとうございました。
写真は二丈の海です。観光用の絶好の撮影スポットが珍しく空いていたので。






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