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執筆者の写真坂田大輔

宮崎まで

雨模様の一週間でした。しかし気温は高く、梅の花もちらほらと咲き始めており、確実に春が近づいていることを感じさせてくれます。

 

さて、先日は糸島市の病院から宮崎県の施設へ移られる方のお手伝いをさせていただきました。お迎えにあがるとご親戚の方がロビーにてお待ちで、しばらくすると看護師の方と一緒にご本人様が降りていらっしゃいました。91歳の男性の方です。親戚の方々が、代わるがわる挨拶をされ、それぞれに小さな声で言葉少なく応えていらっしゃいました。看護師さんがご家族様に近況をお伝えし、私は生活動作と排泄の状況をお伺いしました。支えがあれば立つことができ、紙パンツをはいていらっしゃるので、少しお手伝いをすれば福祉トイレで排泄をすることができるとのことでした。尿意もあり、伝えることができるとのことでしたので、移動中に隣に座っていただくご家族様に伝えてもらえば大丈夫です。

 

ご親戚の方の一名はお隣に座り、もう一名の方は別の車を運転されるとのことで、2台での移動となりました。もう一名のご親戚の方はここでお別れとなるそうで、名残惜しそうに 挨拶を交わしていらっしゃいました。今回は長旅になりますので、乗車前に私もご本人様に

しっかりと自己紹介とご挨拶をさせていただきました。「よろしくお願いします。」と丁寧なごあいさつをしていただけました。病院の大勢のスタッフの方に見送られての出発です。

 

同乗されたご家族の方(姪御さん)が、今回の移動の概要を教えてくださいました。一度は福岡の施設に入所されましたが、どうしても合わないとのことで一度他の病院にご入院されました。その後、古くからお世話になっていた方が働いていらっしゃる介護施設が宮崎にあり、ぜひそこへいらっしゃいと招かれたとのことで、移ることに決まったそうです。てっきりご出身が宮崎なのかと思っておりましたが、91歳にして初めての土地に住むとのことでした。しかし、昔なじみの方がいらっしゃるということであれば安心ですね。

 

走り出して1時間ほど経ち、お手洗いに行きたいとのことでパーキングに停まります。車椅子専用エリアに停めて、福祉トイレを利用します。パッドに漏れもなく、トイレにしっかり排尿していただくことができました。ただ、排便が滞っているとのことで「もしかすると出るかもしれませんね。」と看護師さんに聞かされておりましたので、様子をうかがっておりましたが、その時は出ませんでした。乗車し、再出発しますが、30分もたたないうちにまたトイレに行くとのことでした。今度は大きいほうとのことでしたので、すぐに次のパーキングエリアで停まり、トイレに駆け込みます。「ううん…。」と頑張っていらっしゃいますが…なかなか出ません。

 

今度はお昼ご飯でパーキングに停まります。ご本人様はおそばがお好きだそうで、キツネそばをゆっくりゆっくり召し上がっていらっしゃいました。姪御さんが横で介助します。私も少しお手伝いをさせていただきました。途中でまたトイレに行き、また不発に終わり戻ってきましたが、おそばが伸びてしまったので、おそばはおしまいにして、お饅頭屋お菓子をパクパクとおいしそうに召し上がりました。かなり食欲がおありのご様子で、食欲があるのはいいこと。元気な証拠と言って姪御様が喜んでいらっしゃいました。

 

その後しばらく走り続け、姪御様は時々ウトウトとされていらっしゃいましたが、ご本人様は表情一つ変えず、目をパッチリと開けて正面を見ていらっしゃったことが印象的でした。

 

その後もう一度トイレ休憩をはさみ、5時間半かけて350キロの旅を終えました。施設に着くと、たくさんのスタッフの方々が踊るように出てこられ、「遠いところよくいらっしゃいましたねえ~。」「お疲れさまでした。」と大歓迎を受けました。

 

最後に「私はここで失礼します。お元気でゆっくりお過ごしくださいね。」と手を取ってご挨拶をさせていただくと、「ありがとうございました。」と、しっかりと手を握り返してくださりなかなか離れないほどでした。私も今日初めてお会いしたのに、嬉しくて名残惜しくなってしまいました。

 

長距離移動お疲れさまでした。無事に着くことができて何よりです。

ゆっくりと新しい環境に慣れることができ、穏やかに過ごすことができるといいですね。

ありがとうございました。

 

私はそこからトンボ返りです。帰りは自分のペースで走ることができますので、4時間程度で帰ることができました。


このような長距離移動のご相談も承っております。ぜひよろしくお願いいたします。 写真は雨上がりの今津の海です。




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