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  • 執筆者の写真坂田大輔

一時帰宅

梅雨空が続いております。蒸し暑い日が多いですが、しとしとと雨が降ると少し涼しくて過ごしやすくなりますね。


さて、コロナウイルスの感染拡大が幾分おさまり、ご入院中の方の一時帰宅の機会が増えてきたように思います。先日も療養病棟にご入院の方の一時帰宅のお手伝いをさせていただきました。その方は数週間前に病院の地域連携室の方からご相談をいただき、ご家族様とも打ち合わせをさせていただいておりました。当初、ご家族様は病院へのお迎えには来ずに、ご本人様のみご乗車というお話でしたが、やはり病院としては、出発と到着の際にはご家族様にいらっしゃってほしいということで、息子様と私でお迎えに行くことになりました。


当日はよく晴れた気持ちのいいお天気。お迎えに行くと、息子様が外出中の注意事項などを確認されており、程なくしてご本人様が看護師さんと一緒に車椅子に乗ってロビーに降りていらっしゃいました。ご本人様は少し眠たいのか、しっかり車椅子に座っていらっしゃるのですが、目を閉じられ眠っているような状態でした。息子様がお声掛けされるのですが、反応がありません。そのうち目が覚めるでしょうとのことで、とりあえずは出発することになりました。


ご家族様のご依頼で、目的地であるご自宅に行く前に、ご本人様がずっと住んでいた古い実家を観に行くことになりました。築100年を超える頑丈そうで立派な古い建物でした。ご本人様がご入院されるまでご夫婦で住まわれていたのですが、旦那様(ご本人様)がご入院してしまい、奥様が一人になったため、息子様の新しいご自宅へ引っ越しをされたそうで、遂に空き家になってしまったとのことでした。そんなご実家に到着し、車を降りたのですが、やはりなかなか目が開きません。息子様が「実家ばい!見てみ、久しぶりやろ。」と話しかけるも、反応はありませんでした。せっかくなので、目は閉じていらっしゃいましたがご本人様と息子様とご実家の前で写真を撮り、いざご自宅へと向かいます。


ご自宅に着くとお孫さんご夫婦がお待ちで、奥様も畑から戻っていらっしゃいました。大歓迎を受けながらご自宅内へ。まずは仏様の前までご案内しました。息子様がチ~ンと鳴らすも目は開かず。ここで一旦私は席を外させていただきました。今回は短時間で戻られるとのことで車にて待機させていただきました。 しばらくして皆さま外に出てこられ、奥様が「さっきチラッと目を開けたんですよ!」と嬉しそうに教えてくださいました。「いやあ、それはよかったです!」玄関前で家族そろって写真撮影です。ご本人様もきっとご実家や地元の景色、ご家族様の表情を心の瞳でしっかりご覧になっていたこととでしょう。


皆さま笑顔でお見送りされ、一路病院へ戻ります。病院では地域連携室の方がお迎えに出てこられました。こちらの病院ではあまり一時帰宅は行っていないとのことで、無事に到着されひと安心されたご様子でした。今回は何事もなく皆さまにお喜びいただけたご様子でしたので、今後もご希望があればぜひぜひご対応させていただきたいと思います。 ありがとうございました。


写真は前原からの可也山です。梅雨空ですね。



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