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執筆者の写真坂田大輔

空港へ

昨日までの雪が嘘のように今日はきれいに晴れました。 まだまだ空気は冷たいですが、少しずつ暖かくなってくることでしょう。


さて、先日は島へ帰る方を空港までお送りするお手伝いをさせていただきました。その方は歩行は可能で車椅子は必要ないのですが、やや認知症があり、お一人様での移動でしたので病院から空港の係りの方に引き継ぐまでのご案内をさせていただきました。


病棟で看護師さんたちに見送られ、車まで一緒に歩きながら話をしていると「なんだかなあ~。何がなんだかさっぱりわからん」と、困惑しているご様子でした。


「退院して島へ帰ること、空港までは自分が一緒で、空港からは別の係の方が付き添ってくれるの心配しなくてもよい事」をお話をさせていただきましたが、ふと不安がよぎりました。


「チケットはご本人様がお持ちです」と聴いていたのですが、この感じで大丈夫だろうか...。


念のためご本人様に確認すると


「そんなもん知らん。もっと早うゆうてもらわな。」


…はっ!これはまずい。と嫌な予感...。


とりあえずお財布を見ていただきましたがありません。小さな鞄も見たけどありません。大きな鞄を見ても見あたりません。島で待つご家族様と連絡をとりましたが、わかりません。刻々とフライト時刻は近づいてきます。いや、まだ大丈夫!


病棟へ戻り看護師さんと一緒に探します。


すると、「これは違いますよね。」と、くしゃくしゃになった小さな紙をひろげて見せてくれました。部屋のゴミ箱から出してきたとのこと。

お!それは…。確認すると、過ぎた日にちで「福岡行き」と書いてあります。これは来たときの物だから違う。しかしホチキスでもう一枚一緒に閉じてある紙があり、そこには同じ過ぎた日にちで「福岡発」...。これも過ぎてるから...。ん?でも「福岡発」...!

これかも!再度ご家族様と連絡をとり確認できました。


「それです!それで乗れます!」

書いてあるその過ぎた日にちの予約を解除して変更したとのこと。

そのくしゃくしゃの紙こそがチケットだったのです!


後日聴くところによると、受診して日帰りをする予定が入院となり、帰りの便を変更したとのことでした。

まさにシュレッダーにかける寸前だったそうです!危なかったー!


あった!よかった!

さあ、行きましょう!まだ間に合います!

早歩きで車へ向かっていると、看護師さんが追いかけてきます。病棟で鞄の中身を出してチケットを探しているときに出した髭剃りを鞄に戻し忘れたとのオマケつき。


空港へ向かいながらご本人様に「すみませんね、バタバタしてしまって。」と話すと「いやあこちらこそ、ウチのが悪いんです。さっぱりわからんもん。」と言いつつ、今回行き来しているご自身の重い病気についても話してくださいました。


空港へ到着し、「お手伝いを必要とされる方」の窓口にて無事に荷物を預け、搭乗手続きも完了。係の方にこっそりと認知症があることをお伝えし、搭乗までの見守りをお願いしました。空港の係の方はさすがにしっかりとした対応をしてくださるので、本当に安心してお願いできます。


は~。

よかったです。


いや~しかし危なかったです。確かに小さいしわかりにくかったのでゴミ箱に行ってしまっても無理もない感じでした。

かといってご家族もずっとつきっきりになったり、お迎えのために福岡まで迎えに来るわけにもいかないし...。皆さんいろいろ大変です。

とにかく無事に帰ることができてよかったです。

ありがとうございました。 写真は雪が降る前の日の福の浦。 ここへ近づくにつれ海の水の色がぐっときれいになるんです。

糸島の、日本の宝です。


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