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執筆者の写真坂田大輔

お餅

このところ暖かい日が続いております。しかし週末は冷え込む予報ですね。

風邪をひかないように気をつけて過ごさないといけません。


さて、先日は長期入院中の方の受診のお手伝いをさせていただきました。

秋ごろに腰椎を圧迫骨折され痛みが激しく、コルセットをはめて療養されていた方なのですが、今回はその後の状態の確認をするための受診でした。

乗車して病院に向かう途中、今の具合を伺ってみたところ、「全然。なんともない。」とおっしゃいます。お!それは良かったです!さて、レントゲンの結果が楽しみです。


待合室に着きましたが、その日もたくさんの患者さんがいらっしゃり、なかなか呼ばれません...。この方には今まで数回付き添わせていただきましたが、必要なこと以外はあまり話さない「寡黙な男性」という印象があり、さほど会話が盛り上がるというようなタイプでありませんでした。

しかし今回も待ち時間が長くなってきて、ため息をついたり立ち上がったりされるので、少しお話をしてみようと思いました。ご入院中にお正月も何も無いかなあと思いながらも、ひとまず「お正月はいかがお過ごしでしたか?」と伺ってみると、


「別になんもないよ。」

と返ってきて、あ~やっぱり聴くんじゃなかった...。と思ったところ、


「雑煮は食った。餅は食って無いけど。」


と続きました。さすがに病院でわざわざ高齢者にお餅は出さないでしょうね。と思っていると、 「俺は餅を詰まらせたことがある。10年ぐらい前に。」 と言ってから嬉しそうにその時の状況を一気に話してくださいました。


その時もご入院中だったらしく、元旦に食事中、お餅が喉に詰まり苦しくて声も出せずに困っていたところ、スタッフの方が気づいて数人駆けつけ、「○○さん!飲んだらいかん!吐き出して!」と言われ、背中をバンバン叩かれ、1!2!3!という具合にフー、フー、フーーーッ!と息を吐いたら、「ポーン!と出てきた。こんな固いやつが。」とゼスチャーを交えて笑いながら話してくださいました。そのお話を楽しそうに何度も何度も繰り返し話されるので、私も一緒に「ポーン!」のところは一緒に言えるようになりました。


思いもよらず楽しい待ち時間を過ごし、いよいよレントゲンの結果を聴きに行くと、バッチリ骨がくっついており、一旦治療は終了とのことでした。本当によかったです。

帰りの足取りも軽く、「いや~ありがとうございました!」と今まで見たこともなかった満面の笑みでおっしゃってくださいました。


これでしばらくお会いする予定がなくなったので、「また何か機会があったら、よろしくお願いします。」と、言ったときに少し寂しい気持ちになりました。

しかし受診の機会は無い方がいいですからね。転倒などされないように気をつけて過ごしてください。


素敵な笑顔を見せていただきありがとうございました。


写真は吹雪の糸島市有田の畑にて。



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