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執筆者の写真坂田大輔

お礼

きれいな青空が広がっております。陽射しはありますが風がまだ少しひんやりとしていて、とても気持ちの良い陽気ですね。


さて、先日は「どうしてもお礼をしたい」という方のお手伝いをさせていただきました。普段は定期受診のお手伝いをさせていただいている方なのですが、昨年末から体調を崩され、しばらくご入院されていらっしゃいました。先日無事にご退院され、定期受診が再開となったのですが、その際に


「入院していた時にお世話になった方がたにお礼をしていないことが心に引っかかって夜も眠れない。」


とおっしゃるのです。私としては、入院費や治療費は払っているし、スタッフの皆さんもきちんとその分のお給料をもらっているので、その必要はないのではないでしょうかと私見をお話をさせていただいたのですが、


「いや、これは私の気持ちの問題やけん。」


と、どうしても何かお礼をしたいようです。すると鞄の中からいくつかの封筒を取り出して私に見せるのです。その封筒には一人一人の宛名とお礼の言葉が書いてあり、既に用意されておりました。しかし、中身が現金だというのです…。それはなおさら良くないと思います。相手も困ってしまうし、受け取れないのではないでしょうか。とお伝えしましたが、


「いや~もう夜も眠れんとです。」


と繰り返すのです。


そういうことであれば仕方がありません。ご本人様の気持ちが収まらないのならこのまま持って帰るわけにはいかないので、受付でそのスタッフさんに連絡を取っていただくかお預かりいただけるかと聴いてみることにしましたが、そこへ丁度良くその病院にいるご本人様の担当のケアマネージャーさんがいらっしゃり、その旨を聴いてくださいました。そして、「お気持ちは嬉しいのですが、さすがに現金は受け取れません。」と丁重にご説明とお断りをしてくださいました。


しかし、それでもどうしても気持ちが収まらないとおっしゃるので、簡単なお菓子か何かを買ってお渡ししてはどうかとご提案をさせていただきました。本当はこれもご迷惑なことなのかもしれませんが、極端に高価なものでなければ気持ちとして受け取っていただけると思い、最短の日程を設定して、近くのお店に買いに行き、その足でお渡ししに行くことにしました。


当日お店に行くと、いろいろなお菓子があり迷ってしまいましたが、ご自身で決められ購入されました。そして、スタッフの方々それぞれにお礼のお手紙をご用意されており、それをもって病院へ向かいます。受付でその旨をお話しすると、すぐに連絡をしてくださり、スタッフの方が受付まで会いに来てくださいました。退院してしばらく経つのでお互いに久しぶりです。スタッフの方は元気にされているご本人様を見て「○○さ~ん!うわあ!お元気そうで、よかった~会いたかった~!」と感激されていらっしゃいました。ご本人様も目に涙をためて喜んでいらっしゃいます。お礼をお渡しすると、快く受け取ってくださいました。 帰りながら


「は~、これでゆっくり眠れます。」


と、安心されたご様子でした。

よかったですね。帰り際に、「また病院に逆戻りしないように気を付けて過ごさないといけませんね。」と言って二人で笑いました。 ありがとうございました。


追記:本来はお礼などをお持ちしてはいけなかったかもしれませんが、今回はどうかお許しください。 写真は雨上がりの岐志漁港です。 青空がのぞいてきてますね。




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