お盆の一時帰宅
いよいよ夏休みも大詰め。 海からの風が心地よくどこからかコオロギの声が聴こえてきます。 さて、先日はお盆の一時帰宅のお手伝いをさせていただきました。 ずいぶん前によくご利用いただいていた方で、その後グループホームにご入居され、最近はほとんどご利用のない方なのですが、今回久しぶりにご利用いただきました。 ある日そのグループホームの前で他の方の送迎のために停めていたところ、奥様がいらっしゃり「あら、どうもお久しぶりです。頑張りよりますか?」とお声かけいただきました。グループホームにいらっしゃるご主人様に会いに来たとのことで、お元気に過ごされているとお話でした。 すると、その日の夕方にお電話をいただき、「そういえば大すけさんのとこはお盆はどげんしようですか?」とのお問い合わせ。もちろん営業していることをお伝えすると、今日久しぶりに会ったときにご主人様の一時帰宅を思いついたとのことでした。まだお盆の予定が入っていない頃でしたので、「今ならまだ空いてますよ。」とお伝えしたところ即決されました。いやあ、これもありがたいご縁です。 当日お迎えにいったところ、ご家族様はどなたもいらっしゃらずご本人様のみの送迎とのことで、施設の方は少し驚かれていらっしゃいました。お任せいただき嬉しい限りです。久しぶりのご主人様にご挨拶をし、ご自宅に帰る事をお伝えすると顔をくしゃくしゃにして泣き笑いのような表情をされておりました。 ご自宅に着くと奥様がお待ちで、きれいに飾られた仏壇が鎮座しており、奥様が「自宅に帰って来ましたよ。」と声をかけると「ううう~...。」と先ほどと同じ泣き笑いの嬉しそうな表情。奥様が「良かったですね、自宅ですよ。久しぶりやね。わかる?」と続けると、ご主人様は … 「わからん。」 と一言。奥様と一緒にずっこけてしまいました。 ちょうど他のご家族様は近所を回っていらっしゃるとのことで、静かなご自宅でした。それから数時間、つかの間でしたがお昼御飯やお饅頭を召し上がってゆっくりと過ごされたそうです。 長年住まわれたご自宅でご家族のみなさんで過ごす時間は、頭ではわからなくても、その安心感や暖かい雰囲気はきっと心の奥の方で味わっていらっしゃったことと思います。 また帰りましょうね。 ありがとうございました。 写真は薄曇り晩夏の船越漁港です。