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執筆者の写真坂田大輔

2階に上がりたい

9月も半ばですね。だいぶ涼しくなりました。そして台風が近づいてきてますね。 今日は一日怪しい曇り空でした。大きな被害がありませんように…。 さて、先日はベッドに寝たきりで在宅生活をされている方が久しぶりに2階に上がりたいという事でお手伝いをさせていただきました。 この方はかなり長期にわたってベッド上での生活をされていらっしゃいますが、ご主人様が2階をよく利用されていたようです。 しかしご主人様が亡くなられて2階を使わなくなってから、ご家族の方やヘルパーさんが片付けられて、ご本人様は実際どのようになっているかわからない状態で時が過ぎてゆきました。 そこで一度2階に上がって自分の目でどうなっているのかを見てみたいと思っていらっしゃったとの事でした。 まず2階にリクライニング車椅子を置き、導線を確保します。タオルケットの上に寝ていただき、階段が狭く急なので私と男性一人で前後に入りゆっくりと上がります。 リクライニング車椅子に無事に移乗できました。 久しぶりの2階からの景色に「わー…!」と感嘆の声があがりました。 クローゼットにはお二人の洋服がきれいに吊るされ、古いアルバムや書斎の道具、常備薬などがそのまま残っておりました。カレンダーはなんと1998年のものが張ってありました!19年前から使われていない部屋という事になります。 特に2階に上がって「これを確認したい。」「これを探したい。」という具体的な目的があったわけではないのですが、「ご自身の目で2階を見たい」というシンプルな希望だったようで、じんわりと色々な事を思い出していらっしゃったようです。 ご自身は1階の1室のベッドの上で毎日を過ごされていて、必要なものは身の回りにあり、2階に上がる必要はありませんが、「自分の家の2階がどうなっているかを見たい」という気持ちは自然な想いですよね。 せっかくなので別室のお仏壇にも手を合わせた後にベッドに戻られました。ご本人様はとても喜ばれ満足げな表情をされておりました。 これも、このささやかな気持ちを叶えたいと想い、行動されたケアマネージャー様や後見人様のやさしい気持ちと行動力があったからこそ実現できたことと思います。 また、その嬉しいひと時のお手伝いをさせていただけたことをとても嬉しく思います。 ありがとうございました。

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