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  • 執筆者の写真坂田大輔

認知症の方の受診

いよいよ8月も終わりに近づき、夏休みもあと数日を残すのみとなりました。しかしまだまだ暑い日が続きますね。


さて、先日はご入院中の方の他科受診のお手伝いをさせていただきました。奥様も付き添われましたが院内での介助が難しいとのことで、私も付き添わせていただくことになりました。


お迎えに上がると奥様もいらっしゃり、一緒に乗車します。

病院に着き採血やCT検査の合い間に、奥様が今までのいきさつをいろいろとお話してくださいました。ご主人様は認知症を発症しており、以前は自宅で大きな声を出されたり、「仕事に行く!」と言って出かけようとされることもあり、奥様はその都度一緒に外へ出かけ、スーパーなどを一周して帰ってきたりしていたそうです。その後循環器の疾患が見つかり、入院、手術を経て、一度ご自宅へ戻られたのですが、症状が進んでおり、奥様が自宅で一緒に暮らすことに限界を感じた為、施設に入所された後に更に病院へと移られ、現在に至るとのことでした。


それから数か月経ち、さらに脚も弱ってしまい車椅子での移動となってから、更に元気がなくなってしまったようで、この日はほとんど発語しませんでした。奥様は「これぐらい大人しかったら家でも看れそうなんですけどね~。」とおっしゃいます。諸々の検査を終え、ようやく先生の診察となったのですが、今まで一言も口を利かなかったご本人様が、先生の前で「トイレ」とおっしゃいました。「あら、そうですか、じゃあ行きましょう!」と失礼してトイレに行ったのですが、リハビリパンツもパットもしっかり濡れてしまっており、便座に座っても「でらん」とのことでした。リハビリパンツの予備を預かっていたので、きれいに交換していざ診察です。奥様は「あ~、やっぱりお願いして(ヘルパー付き添いを)よかった。私じゃとても無理です。ありがとうございます。」とお喜びいただけました。


その後はさらに内視鏡検査も入り、随分と長い受診になってしまいましたが、検査の結果、それほど悪い状態ではなかったようで一安心でした。後半はご本人様も言葉にならない言葉で「ごちょごちょ・・・・・」といろいろとお話されるようになりました。発語するには何か理由があるのでしょう「何か伝えたいこと」もしくは「ただ言いたいこと」がおありなのでしょう。解らないなりに傾聴しながら過ごしました。 そのような態度も奥様は難しいとおっしゃいます。聴き取れない、意味の通じないことを話すご主人様に腹を立ててしまうとのことでした。凛々しい昔のご主人様の姿をご存じであれば戸惑うのも当然ですよね。ゆっくりと受け入れることができるといいですね。

すっかりお昼を回ってようやくご入院中の病院に帰ってきました。病棟の看護師さんに受診の概要をお伝えし、終了です。

穏やかに過ごせるといいですね。

ありがとうございました。


写真は真夏の志登神社にて。




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