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執筆者の写真坂田大輔

苦手な内視鏡検査

梅雨らしい雨の日が続いております。小学生はせっかくの自然体験教室が雨でちょっと残念ですね。雨なりに楽しめればいいなあと思います。

 

さて、先日は施設にお住いの方の受診の付き添いをさせていただきました。90代の男性です。お迎えにあがるとスタッフの方と歩行器を携えて玄関でお待ちでした。日常生活では歩行器を利用していますが、今日は病院内をあちこち移動するので、車椅子に乗り換えます。そのまま乗車して出発です。

 

とてもお元気そうなのですが、どこが悪くて受診をされるのかとお尋ねすると、食べ物や飲み物が飲み込みにくいとのことでした。お話の好きな方で、待合室であれこれとお聴かせくださいました。ご自身の昔の仕事のことやご家族のこと、今の施設での生活のことなどなど・・・。私が二丈に住んでいることをお話しすると、「二丈のあそこに、祠があったろう?まだあるとかいな。」「あそこに○○さんっておるの知っとお?」「あの辺は昔はな~んも無かったもんね。」などなど、応えられる質問は少なかったのですが、二丈の昔の様子などを楽しく聴かせていただきました。検査をする前にまず問診です。先生がおっしゃるには、飲み込みにくいのならのどに悪いものができていないかを、内視鏡で観てみる必要があるとのことでした。その話を聴くと、今までの穏やかさから少し様子が変わり、「いやあ~カメラは嫌や~。」と渋り始めました。過去にとても苦しい思いをされたとのことでした。先生も困ってしまいましたが、いずれにしてもその日すぐに検査をすることもできないので、一度施設に帰り、息子様とよく相談して決めることとなりました。

 

数日後、ケアマネージャーさんからお電話があり、やはり内視鏡検査を受けることに決めたとのことで、再度お付き添いをさせていただきました。施設のスタッフの方に「頑張ってくださいね~。」と励まされながら出発です。

 

到着して心電図をとり、麻酔の準備などが整いまもなく検査です。「のどにシューッとするのが苦しかもん。」と気になっているようでした。そして検査直前になって「おしっこしたい!」とバタバタとトイレに駆け込み介助します。緊張感が伝わってきます。その後いよいよ検査台に移っていただき、私は扉の外に出ました。すると扉の中から「いや、それは嫌。」と聞こえてきます。看護師さんも困ってしまいますが、どうにか他の方法で検査を進めることができたようです。しばらくして扉の中にお迎えに行くと、ややもうろうとした様子で横になっていらっしゃいました。お声掛けをすると「はっ、」とすぐに我に返り車椅子に移ることができました。しばらく休んでから先生から検査結果を聴くという段取りでしたが、ショックを与えてはいけないとのことで、直接施設に報告することとなり、我々は施設に帰ることになりました。結果が心配ではあるけれど、一仕事終えたすがすがしい表情で施設へ戻ります。

 

すぐにスタッフの方がお迎えに来られ、「よかったですね、検査、悪いものは何もなかったそうですよ。」とまず報告してくださいました。既に施設に連絡があったようです。ご本人様はすぐに笑顔になり、周りのスタッフも私もみんなで喜びました。別れ際に、「ありがとうな。なんもかんも世話になって。」と力強い握手をしてくださいました。

 

いやはやよかったです。まだまだお元気で過ごすことができそうですね。

ありがとうございました。

 

写真は泉川のはまぼうです。糸島市の花ですね。満開でとてもかわいらしく咲いておりました。




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