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  • 執筆者の写真坂田大輔

ご退院~自宅経由で入所

青空と厚い雲が隣り合わせになって広がっております。そして風が強く吹いていて低い雲が忙しそうに流れてゆきます。日中はかなり気温が上がって真夏のようですね。

水分をたくさん摂って、熱中症にならないように気を付けないといけませんね。


さて、先日は長く独り暮らしをされてこられた方の施設への入所のお手伝いをさせていただきました。そして最後に自宅に寄ってこまごまとしたものを取りに行きたいとのことで対応させていただきました。


一時ご入院されておりましたので、病院にお迎えに上がると、看護師の方とロビーまで降りてこられました。高齢になられても長く独り暮らしをされてこられた方とあって、やはり


「自分でできることは自分でする」


というお気持ちが強い方のようで、車椅子もご自身で操作されておりました。親せきの方に付き添われ出発です。


車内にて親せきの方にメモ紙を見せていらっしゃいます。家に寄って施設へもっていくべき物のリストが書いてあるようでした。親せきの方も「はあはあ、なるほどね。わかりました。」と了解されております。


自宅に到着し、早速リストに沿って必要な物を集めます。ボールペン、裁縫道具、スリッパ、辞書、歯間ブラシなどなど、様々な分野にわたります。それが家のどこにあるのかをほぼ把握されており、「はい、次ここの棚。中に箱があってその中にこれとこれがある。」と的確に指示を出します。大体のものはありましたが、いくつかはありませんでした。「おかしいなあ~。あったはずなんやけどなあ~。」とおっしゃいますが「またあっち(施設)の生活が落ち着いてから、本当に必要だったら探して持っていきますよ。」と親せきの方がなだめます。


おおむね片付いたところで親せきの方が、「大事にしてたこの写真とか寄せ書きは持っていかなくていいですか?置く場所はありますよ。」と提案されますが、ご本人様はそのようなものについては全く考えていなかったようで、「いらんよ~。」と断られました。「でもほら、これとこれはすごく大事にされてたじゃない。これは持っていったら?」というと一つだけ頷かれました。あとはやっぱりいらないとのことで、自宅に置いてゆくことになりました。ご本人様の中では既にいろいろなものごとに対して決着がついているように感じました。


「長いこと独り暮らしをされた家を離れて施設に入る」


という決心するまでの過程で、ひとつひとつ切り離してこられたのかもしれません。


本当は


「そりゃ全部持っていきたいわ!」

「いや、そもそも施設になんかには入りたくないんじゃ!」


という気持ちとずっと戦って、決着をつけたのかもしれません。と、勝手ですがご本人様の気持ちを想像して思わずぐっときてしまいました。


今度いつ来られるかわからない、二度と来ないかもしれない、住み慣れた我が家を離れ、施設へ向かいます。


程なくして到着。施設の方が満面の笑みでお迎えにいらっしゃいました。これから新しい生活が始まります。

穏やかな過ごせるといいですね。

ありがとうございました。


写真は大入漁港。ボラの群れが水面を泳いでいました。




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