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執筆者の写真坂田大輔

ご兄弟に会いに

梅雨ですね。しとしとと細かい雨が降っております。植物たちがとても喜んでいるようにみえます。


さて、先日は施設からご兄弟に会いに、短時間の外出をされるという方のお手伝いをさせていただきました。


お迎えにうかがうと娘様と施設の方と一緒にいらっしゃいました。酸素ボンベを携帯されており、娘様が簡単な説明を受けた後に出発です。車内では娘様が「久しぶりの外やね。」といろいろと話しかけられますが、あまり反応はありません。少し前まではご自宅で一人暮らしをされていらっしゃいましたが、このところ足腰やその他身体のあちこちが弱ってきてしまい、独り暮らしを続けることが難しくなってしまったため、施設への入所となったそうです。今回は関東からご兄弟の方がいらっしゃったとのことで、娘様のご自宅で1時間ほど会われるとのことでした。


到着すると、ご兄弟の方をはじめ、数人の親せきの方々が暖かく迎えてくださいました。その時もあまり認識できていなかったのか、反応はほとんどありませんでした。お部屋までの導線にいくつかの段差があるのですが、酸素ボンベの付いた車椅子は後方への転倒防止のための支えがついているため、そのままの状態では段差を越えることができません。ご親戚の方が「みんなで抱えようか?」とおっしゃってくださいましたが、やはり危険を伴うため、大すけが持ち回っている車椅子に一旦乗り替えていただき、移動することにしました。ご家族様にボンベを持っていただき、無事に段差を越え、お部屋に入ることができました。面会中は待機とさせていただくことになっていたので、車椅子はそのままご利用いただくこととなりました。


約一時間後、皆さまが出てこられお開きのご様子です。お部屋までお迎えにうかがうと、ご本人様は先ほどまでとは明らかに表情が変わっており、かすかに笑みを浮かべていらっしゃいました。「またね、またおいでね。」と皆さまに見送られながら、スロープより乗車する際は皆様に一生懸命手を振っていらっしゃいました。


ここへ到着した時はあまり反応のないご様子でしたが、やはり、ご家族の皆様と会うことで刺激を受け、いろいろと思いだしたのかもしれませんね。ご家族様も喜んで手を振っていらっしゃいました。

帰りの道中では「また来ましょうね。」とお話をされておりました。

関東の方はなかなか頻繁にはお会いできないかもしれませんが、近所のご家族様もたくさんいらっしゃるとのことでしたので、ぜひまた集まる機会があるといいですね。

ありがとうございました。 写真は有田の田んぼにて。植えられたばかりの苗がかわいいですね。



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