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執筆者の写真坂田大輔

お通夜の前に

バケツをひっくり返したような雨が降ったかと思えば、体温に達する程の猛暑です。いよいよ夏ですね。二丈深江は今週末「川まつり」で海開きです。

 

さて、先日はお通夜の付き添いをさせていただきました。施設にお住いの方なのですが、奥様が亡くなられたとのことで、息子様からご連絡をいただきました。ご本人様が喪主なので、はじめはお通夜と葬儀の2日間とのご依頼でした。しかしその後、施設の方との打ち合わせをおこなったところ、ご本人様は体調があまり良くないため、長時間の外出は難しいかもしれないとのことで、お通夜前に少し顔を合わせる程度にしていただくこととなったとのことでした。

 

お迎えにあがるとご親戚の方がお待ちで、スタッフの方と一緒にご本人様がいらっしゃいました。リクライニング車椅子をご利用で、目は開いていらっしゃるのですが、お声掛けに対する反応はかなり薄い状態でした。施設の方が「くれぐれもあまり長居されないように」と念を押していらっしゃいました。ご親戚の方と一緒にご乗車になり出発です。道中流れる景色を眺めていらっしゃいましたが、お声掛けには反応がありませんでした。

 

お通夜の会場に到着すると会場のスタッフの方がいらっしゃり、ご家族の皆様のもとへご案内してくださいました。長男様を含め数名のご家族様と一緒に祭壇の前の奥様のもとへ移動します。棺桶のふたが開けられ、きれいにお化粧をされた奥様の真横にご本人様の乗ったリクライニング車椅子を寄せます。背もたれを少し立てますが、首があまり曲がらないのか、事態を認識できていないのか、あまり奥様を見ようとしません。ときどきちらっと横目で見ているような様子もありましたが、ご家族様のお声掛けにも反応がありません。しばらく「きれいね。」「最期に会えてよかったね。」とそれぞれに話しながら、ふと、ある親族の方が「ねぇ、○○さん(ご本人様)、△△さん(亡くなった奥様)よ。きれいね。わかるね?」と聴いたところ、「うん。」と、しっかりと頷かれました。やはりしっかりとわかっていらっしゃるご様子でした。ご家族様たちも「おお、ちゃんとわかっとんしゃあばい。」と安心されておりました。

 

久しぶりに集まったご家族様たちと写真を撮り、これからお通夜となりますが、ご本人様は施設へ戻ります。正面まで皆さまにお見送りいただきました。

 

ご本人様は帰り道の間も目を閉じることはなく、流れる景色をじっと眺めていらっしゃいました。

 

写真は泊からの可也山です。久しぶりに晴れた日です。



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