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  • 執筆者の写真坂田大輔

おとなりさん

山や街の木々がきれいに紅葉しております。いよいよ今年も残すところひと月半を切りました。早いですね...。


さて、先日はお独り暮らしの方の、退院と受診のお手伝いをさせていただきました。

お迎えに上がるとすっかり準備を終え、お待ちでいらっしゃいました。歩行は不安定ながらもゆっくりとした足取りで行えるのですが、常に微量の酸素吸入が必要で、酸素濃縮器を携帯しなければなりません。そのため、退院や通院などの長距離移動には車椅子を利用されております。


話はそれますが、近頃の酸素吸入器の進歩は目覚ましいものがありますね。以前は濃縮酸素が詰まったボンベを持ち歩かなければならず、長時間使用する場合は大きいボンベや予備のボンベを用意する必要がありましたが、現在は「酸素濃縮器」つまり身の回りの空気(窒素、酸素、アルゴン、二酸化炭素など)から酸素を抽出して供給することができるようになったのです。素晴らしい発明ですよね。海水から飲料水を取り出すような...。どうしても電気は必要になるのですが、それでも格段に便利ですし、行動範囲が広がりますね。ケアサービス 大すけの車にも家庭用コンセントを用意しておりますので、安心して外出できます。


さて、久しぶりのご自宅に帰り、訪問看護の方が迎えてくれました。私が翌日の受診の対応をさせていただくので、看護師さんが私に自宅用と携帯用の酸素濃縮器の使い方を教えてくださいました。


翌日、クリニックにご案内したのですが、検査と診察にだいぶ時間がかかってしまい、すっかりお疲れのご様子でした。家に戻る際に車内でいろいろとお話を聴かせていただいたのですが、隣の奥さんが少し気難しい方だとおっしゃるのです。前日に退院してきた際に、「戻ってきたこと、心配をかけて申し訳なかったこと」などの挨拶をすることができなかったことが気がかりだ、とのことでした。「家に入る前に一緒に挨拶に行きましょうか」と、提案したところ、どうやらそれはしたくないようで、とりあえずそのまま自宅に戻りました。


さらに翌日、受診に向かう車の中でおっしゃるのです。「昨日は隣の奥さんにやっぱり怒られちゃいました...。」と。歩いて隣まで出向くことができないので電話をしたのだそうですが、なかなかお出にならない。やっとつながったときに「どうしてすぐに「帰ってきた」と連絡しないのか、こんな状態なのになぜ家族は来ないのか。」など。


いったいどのような会話だったかはわかりませんが、私の想像では、お隣の方はきっととても心配していらっしゃったのではないかと思いました。本当は「力になりたい」と思ってくれているけれど、うまく伝えることができないだけなのではないか。その日お隣の方は私が車からご本人様の玄関に向かうときには、とてもにこやかにご挨拶してくださいましたので。


うまくお付き合いができるといいですね。独り暮らしは大変ですが、地域の方の協力があれば心強いですからね。

ありがとうございました。


写真は加布里漁港からの可也山です。



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