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  • 執筆者の写真坂田大輔

胃ろう

雨模様の週末となっております。しかしこのところ気温も高く、もう春が来たような感じですね。

 

さて、先日は初めての胃ろう(*)交換の付き添いをさせていただきました。この方は随分昔からお手伝いをさせていただいている、ご家族のいらっしゃらない方なのですが、3年ほど前に施設にご入居され、年齢も重ねられ飲み込みが難しくなり、昨年誤嚥性肺炎でご入院されたことをきっかけに、胃ろうを造設されました。

 

お迎えにあがるととてもお元気そうに見えましたが、初めてのことで緊張し、昨夜はあまり眠れなかったとのことでした。施設の方から書類一式をお預かりして出発です。病院に着き受付を代行します。看護師さんや担当医から細かい説明を受けた後、待っている間はお久しぶりでしたので、施設での近況などのお話をうかがっておりました。施設ではリハビリやアクティビティにしっかりと参加され、とても健やかなご様子でしたが、ふと「緊張してきた。」と表情をこわばらせていらっしゃいました。麻酔もするし、プロがきちんとやってくれるので大丈夫ですよ、とお伝えしますが、初めてですし怖いのも無理ないですよね。

 

病院のストレッチャーに移るお手伝いまでさせていただき、あとは病院のスタッフさんにお任せします。程なくして担当医がやってきて無事に終わったことと処置の状況を説明してくださいました。ご本人様は麻酔が効いているため、もうしばらく休んだ状態とのことで、そばに座って待たせていただきました。しばらくするとモソモソと身体を動かし、うっすらと目を開けられました。第一声は「トイレに行きたい」とのことでしたが、もう少し安静にしておく必要があることと、オムツもしているので、少しだけ待っていただかなければなりませんでした。しばらくして看護師の指示で起き上がり、すぐにトイレにご案内しました。手すりをもってなんとか立ち上がることはできましたが、その他は介助させていただきました。

 

無事に終了し、帰る間際に「また来なくちゃいけないの?」と訊かれました。定期的に交換に来る必要があり次回は4か月後であることを説明すると、「もうやだ…」とつぶやいていらっしゃいました。他の持病もある方なので、今回の処置はだいぶしんどかったようです。しかし胃ろうのおかげで元気に過ごすことができていることを思うと、難しいところです。口から飲んだり食べたりすることは、生きていくうえで大事な楽しみのひとつですので、胃ろうの造設については本当に慎重に進める必要があると感じました。

 

人によっては口から食べて飲み込むのリハビリをして、胃ろうをはずされる方もいらっしゃると聞きますが、この方の場合は年齢や持病のこともあり、医師や施設の方の意向とご本人様の意向のすり合わせが肝心になってくるのでしょう。どうにかみんながの納得のいく方向で進むといいですね。

ありがとうございました。


写真は雨上がりの深江、一貴山川の河口です。

 

*胃ろう

お腹に穴をあけてチューブを通して胃に直接栄養を注入する医療措置です。口から食事がとれない方や飲み込む力の弱い方に用いられます。定期的に器具の交換が必要です。




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