ご退院
- 坂田大輔
- 3月20日
- 読了時間: 3分
3月も半ばを過ぎましたがなんと、雪が降りましたね。背振の山々は一時真っ白になりました。これが最後の寒波でしょうか。週末からはようやく春の暖かさになるようです。
さて、先日はおよそ一か月半前にご入院された方の、ご退院のお手伝いをさせていただきました。以前からご利用いただいている方で、どうしても調子が悪いと受診された際にそのままご入院になってしまった方です。
お迎えの際にまず受付へ向かうと、既にロビーいらっしゃり、自動販売機でジュースを買っていらっしゃいました。大きな歩行器で移動されており、ご入院されたときに比べて随分顔色もよくお元気になられたご様子でした。ご挨拶をすると、ニッコリ笑顔で応えてくださいました。こちらでご用意した車椅子に乗り換えて出発です。
乗車するや否や、「寄ってもらいたいところがあるとよ。」と早速おっしゃいました。その日は次の運行までに少し余裕がありましたので、お応えすることができました。
まずはお弁当屋さんです。ご入院中お部屋で見ていたテレビのコマーシャルで、ずっと食べたいなーと思っていたという、「海鮮てんぷら丼」とのことです。ご自宅で待つご主人様の分と合わせて二つ。ご本人様は車から降りることはなく、私が代わりに買いに行きました。更にスーパーに寄りたいとのことで、ここはご本人様も降りられ、あれやこれや見て回りました。スーパーに入ったそばからまずは果物、野菜と、目についたものからどんどんかごに入れます。久しぶりのお買い物が楽しくて仕方がないといったご様子でした。お肉に、お魚、「主人は魚臭いのがあんまり好きじゃないのよ」と白身魚の切り身を買われました。更にはお豆腐や、お揚げ、うどんのスープもお買い上げです。レジに着くと、「あら、なに、どうしたと?入院しとったと?」と声をかけられ、近況(入院した事情や、ご主人のご様子など)をお話されていらっしゃいました。かなりの常連のようです。
アパートの駐車場に着くと訪問看護の方々がお二人でお待ちでした。「お帰りなさ~い」と笑顔でお出迎えです。ご本人様は少し照れくさそうです。さて、しかし最後の難関、2階までの階段があります。車椅子で階段下まで行くとそこからは手すりをもって二本の脚で昇ります。一段一段、「しょ…しょ…」とご自身で小さく声をかけながら一生懸命あがられます。私も一段下から骨盤を上方に押し上げるように支えます。ようやくご自宅へ到着しました。
ご自宅ではご主人様がはにかみ笑顔でお待ちでした。ベッドに座るまでお手伝いして、「ご退院おめでとうございます」とお声掛けすると看護師さんたちも拍手。ご本人様も「ありがとうね~おかげさまです。」と、とても嬉しそうです。一度車に戻りスーパーで仕入れたたくさんの荷物を運び、お部屋に戻ると、ベッドサイドの椅子にご主人様が、ちょこんと腰を掛けてニコニコしていらっしゃったことがとても印象的でした。「タクシーの方がとっても良くしてくれて本当に助かったとよ」とご主人様にお話ししてくださり、嬉しい限りです。
お二人ともこれからも仲良く、気を付けてお過ごしいただきたいと思います。
ありがとうございました。写真は小金丸からの可也山です。菜の花がきれいですね。

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