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執筆者の写真坂田大輔

2階から担架

桜の花が咲いてきましたね。卒業式も大方終わったようで、束の間の春休みを満喫している若者たちも多いことでしょう。私は小学校の卒業式の後の教室で担任のがっちりした男性の先生が、柏原芳恵さんの「春なのに」を歌ってくれて、それまでに感じたことのないジーーンという感情が込み上げてきたことをはっきりと覚えています。


さて、先日はストレッチャーでの受診のお手伝いをさせていただきました。「当日今から」のご依頼でしたが、糸島市内の受診の方の合い間に駆けつけることができました。ケアマネージャーさんからご連絡をいただいたのですが、2階にお住まいの女性で、ほぼ寝たきりとのことでした。ご自宅にお迎えに上がるとご主人様がいらっしゃり、ケアマネージャーさんもヘルパーさんと一緒にいらっしゃいました。2階にご案内いただきご挨拶をさせていただきましたが、しっかりとお話のできる方で、布団に横になっていらっしゃいました。聴くところによると、薬や病院があまり好きではなく、ご自宅で最期を迎えたいという強い意志をお持ちとのことです。布担架を身体の下に敷かせていただき、3人で抱えます。頭側を私が抱え、骨盤から下をケアマネージャーさんとヘルパーさんに抱えていただき、脚側から急な階段をゆっくりと降ります。階段の下に用意していたストレッチャーに移っていただきひと段落です。あとは少し背中を起こしていただき、上がり框を後ろ向きに降りたら、お庭を通って車に乗るだけです。


病院に着いたら病院のストレッチャーに移り、私は一旦離れ、あとはご主人様が付き添います。


今まで病院へはほとんど行かず、既往歴などのデータは全くないとのことで、検査、診察には時間がかかりました。病状はお聴きしておりませんが、いずれにしても「入院はしない」という強い意志があり、ご自宅へお送りさせていただきました。2階で暮らすということへのこだわりもあったようですが、ご主人様の負担軽減をはじめ、今後のことも考えて、1階に布団を敷いて過ごしていただくことになったようです。 ご自宅で看護・介護サービスを受けるのは今回が初めてとのことでしたが、いいバランスで穏やかに過ごすことができるといいですね。

ありがとうございました。


写真は雨上がりの船越漁港です。

大潮の満潮でせりあがった漁船が迫力がありました。


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