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  • 執筆者の写真坂田大輔

自宅に寄りたい

桜が満開ですね。

気持ちのよい季節になりました。


さて、先日は転院のお手伝いをさせていただきました。


その方は救急車で着の身着のまま入院された為に、次の病院に移る途中でご自宅に寄り、必要な物をいろいろと持っていきたいとのご希望がありました。


独り暮らし高齢の女性で、立位、歩行が難しい為、車椅子をご利用されていらっしゃいます。ヘルパーさんにお願いして必要なものをそろえて持ってきてもらおうかという提案もあったようですが、やはり自分の目で見て選びたいとのことでした。車椅子のまま自宅内を動きながら、リハビリ用の服、下着、靴下、などなど、「あれがここに入ってるはず」とおっしゃるので、指示通りにタンスを開けるとそれぞれきちんと入っており、ひとつひとつ鞄に積めてゆきます。


ひとしきり用意が済み、さあ、出発しましょうかという時に


「そうそう、これをしなきゃ。」


と手に取ったのは煙草。そしてご本人様の「煙草を吸うときの定位置」のベッドサイドに移り、セブンスターをくわえ火を点けます。もちろん定位置ですのでライターも灰皿も手の届くところにあります。


気持ちよく一服...。


と思いきやゴホゴホとむせかえりました。「大丈夫大丈夫。さすがに3ヶ月ぶりやけんね。」と、嬉しそうにおっしゃいます。「ごめんね~。ちょっとまっとって。」と言いながらしっかり一本を吸いきり、「よし、行きましょう。」と言って出発しました。


ところがしばらく走ったところで「あ、時計忘れた!」と言ってUターンするというおまけ付きでした。今度は私だけで部屋に入り、あそこのタンスの横の何色の小さい引き出しの何番目に入っとるけんね。との指示通りに開けるとすぐに見つかりました。


改めて出発し無事に到着。受け付けまでお手伝いして別れました。


いやあ、煙草ですね。

やっぱり吸いたいんですね。

実は今回家に寄りたかった最大の理由が喫煙だったそうです。


そして次の病院でも当然禁煙生活が続きます。リハビリをしっかり頑張って退院できた暁には、ご自宅で好きなだけ吸えますよ...?

リハビリを頑張る励みになるかもしれませんね。

ありがとうございました。


写真は東区のとある公園。

ばーっとたくさん並んだ見事な桜もいいですが、ちょっとした公園に2、3本咲いている感じも私は好きです。



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