心の扉
さあ、11月に入りました。早いですねえ。この調子だとあっという間に年末ですね。
気温もだいぶ低くなり、我が家ではストーブを出しましたよ。
さて、先日はご入院中の方の他科受診の付き添いのお手伝いをさせていただきました。高齢の女性の方でご家族様が近くにいらっしゃらない為に、私が付き添わせていただく事になりました。
病院にお迎えに伺い、今回初めてお会いするのでご挨拶をさせていただくと、目を合わせて会釈をしてくださいました。
あまり発語はなく大人しい印象の方で、行き掛けの車内では黙って座っていらっしゃいました。このような場面では多くの高齢者の方は目を閉じて傾眠される方が多いのですが、この方は病院に着くまでの間終始フロントガラスからじっと前を見ていらっしゃいました。
病院に着き看護師さんからの問診を受けると早口で「ゴニョゴニョ!」と答えられますがやや聞き取りにくく数回聞き返されるような感じでした。待ち時間の間に時々他愛もない事を話しかけると、きちんと応えてくださるのですがやはり聞き取れず、失礼ですがその都度数回聞き返してしまいました。そうするうちに少しずつ心の扉を開いてくださったのか、ご本人様からも「モゴモゴ!」と話しかけてくださるようになりましたが、いかんせん聞き取り辛くまたまたその都度聞き返してしまいました。ごめんなさい...。
しかし待っている間にだんだんと口数も増えて、私も少し聞き取れるようになり、時折笑顔も見られるようになりつつ、少し楽しくなってきました。
そうこうしている間に午前中の患者さんは次々に会計を済ませ、気付くと待合室もがらんとしてきました。
長い待ち時間を経てようやく最後の診察に呼ばれ、現状と今後の治療方針についてお話をいただき終了です。これを私が入院中の病院に戻って報告をしますが、詳細に関しては主治医の先生と直接やり取りをしていただけるとのことで安心です。
元の病院への帰り道も同じようにじっと前を見ていらっしゃいました。口には出さないけれど、いろいろと想いをもっていらっしゃるんだろうなあ。と思いながら車を進め、無事に到着。
お昼を過ぎてお疲れになられたことでしょう。お迎えに来られたスタッフの方に労われ、ご本人様が黙って座っている様子を見て
「あれ?なんか今日は随分大人しいじゃないですか~!」と言われ、
ご本人様はにんまりと今日一番の笑顔を見せてくださいました。
なるほど、普段はもっともっと活発な方なのでしょうか...。
早速次回の受診も決まっております。次回は今回よりもたくさんお話ができると嬉しいです。
写真は加布里漁港。秋の空の下、漁船とツーショット。
Comments