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  • 執筆者の写真坂田大輔

自宅での看取り

週の後半から梅雨が戻るような予報でしたが、景気よく降ったのは昨日だけで今日も午後からは美しい青空が広がっております。

時折吹く風が心地よいですね。

先日は87歳になるお父様の受診のお手伝いをさせていただきました。

前日の夕方にご連絡をいただき、普段は娘様と普通車に乗り降りして車椅子で受診をされているそうですが、今回は具合が悪く車椅子から乗用車への移乗が難しそうで、通常の車椅子での座位の確保も難しそうとのことで、介護タクシーにてリクライニング車椅子での受診をご希望でした。

当日お迎えに伺うと、娘様がお二人いらっしゃり、今日は昨日よりも覚醒していて調子がいいとのことでしたが、やはり身体にはあまり力が入っていないようでした。リクライニング車椅子に移っていただき出発です。

病院に着くとたまたまロビーに主治医の先生がいらっしゃり、早速お話をされていらっしゃいました。先生はせっかく来たのでとりあえず2、3日入院してその間に訪問看護の体制を整えながら様子を見たらどうかとおっしゃいますが、娘様はできれば連れて帰りたいそうです。

今は新型コロナウイルス感染予防で、病室での面会ができません。

高齢ですので少しでも一緒に居たいとのことでした。

以前お母様を亡くされたときは入院中に容態の急な変化があったそうで、かなりバタバタとしてしまい最期の時も無念だったとおっしゃいます。その経験を踏まえ、お父様はぜひ自宅で看取りたいという強い希望をお持ちでした。随分以前より先生にはその意思を伝えているつもりなのですが、なかなか伝わっていかないと感じていらっしゃるとのことでした。

医療側としては一秒でも長く生きていただくために最善を尽くしたい。

家族としては、ご本人様はもう高齢なので病と闘うのではなく、やがて訪れる死を受け入れ、見据えながら、平穏な時間を共に過ごしたい。病院でたくさんの計器と管に繋がれた状態で亡くなるのではなく、住み慣れた家で手を繋いで見送りたい。

考え方は様々あると思いますし、何が正しいかという答えも無いと思います。

ただ対話を繰り返しご本人様や、ご家族様はもちろん、今まで心を込めて診てこられた主治医の先生にとっても納得できる対応が見つかることを祈るばかりです。

しかしこの方は今回の検査で思わぬ異状が見つかり、ひとまず帰宅しますが、他の病院に移りご入院されることになりました。

本当に何がどうなるかわかりませんね。

今後いい方向に向かうことを期待しつつ、何か少しでもお力になれることがあればと嬉しいです。

ありがとうございました。 写真は梅雨の晴れ間の二丈の海。 雲一つありませんね。

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